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フランチェスコ・アレッツォ2025-2026年度会長 |
矯正歯科の開業医で、シチリア島でエキストラバージンオリーブオイルを生産する農業企業を所有。
パドヴァ大学卒業。イタリア、ヨーロッパ、アメリカの矯正歯科協会のメンバーであり、イタリアとヨーロッパの舌矯正歯科協会のメンバーでもある。カリアリ大学歯学部で舌矯正歯科の修士号も取得。
ラグーザ県のNational Association of Italian Dentistsの副会長を務め、National Trust for Italy創設者として同団体で7年間ラグーサ県を代表。
シチリア島モンティ・イブレイ地域での農業企業の所有に加え、この地域の良質な石油生産を管理・規制するコンソーシアムの管理評議会の副会長を務める。同地域に二つのブティックホテルを所有。趣味は現代美術鑑賞とオペラ。
36年来のロータリー会員であり、合同戦略計画委員会副委員長、RI理事、2023年メルボルン国際大会委員長、ラーニングファシリテーター、地区大会での会長代理などを歴任。
観光業界の起業家であるアナ・マリア・アレッツォ・クリシオーネ夫人との間に二人の娘さんと二人のお孫さんがいる。娘のラファエラさんはロータリー青少年交換で米国フロリダ州に1年留学。妻アナ・マリアさんと共にロータリー財団のベネファクターとメジャードナーとなっている。
2025-2026年度国際ロータリー会長メッセージ
親愛なる友人の皆さま
2週間前、私は自宅の居間で孫たちと遊んでいました。その数日後、私はカルガリー行きの飛行機に乗り、この素晴らしい組織を率いるという突然の責任を負うこととなりました。人生はあっという間に過ぎますが、自分がいるべき場所に導いてくれるものです。
今年度の始まりに、次の明確なメッセージをお伝えしたいと思います:よいことのために手を取りあおう。シンプルながら、力強いフレーズです。ロータリーでは、あらゆる取り組み、日々の奉仕、入会してくる新会員、世界的な課題への対応の裏に、二つのことがあります。それは「友情」と「信頼」です。
強いクラブは、友情と信頼によって築かれます。私たちは、友情と信頼のもとに有意義なパートナーシップを築き、世界的な問題を各地域で解決へと導きます。私たちは、肩書や称賛のためでなく、謙虚さ、人間性、思いやりをもってリーダーシップを発揮します。しかし、実のところ、このようなリーダーシップは必ずしも簡単ではありません。私たちは人間であり、間違えることもあります。意見が対立することもありますが、ロータリーではより大きな視点が求められます。ロータリーのビジョン声明の全文を見てみましょう:
「私たちは、世界で、地域社会で、そして自分自身の中で、持続可能な良い変化を生むために、人びとが手を取り合って行動する世界を目指しています」
特に肝心なのは、「自分自身の中で」という部分です。なぜなら、変革とは戦略から始まるものではないからです。変革は、一人ひとりの人格や互いへの接し方から始まります。どのように耳を傾け、サポートし、奉仕するかということから始まるのです。
今年度、そのことを胸にリーダーシップを発揮していただくようお願いいたします。関係を通じてロータリーを成長させ、より親しみやすく、柔軟で、新しいアイデアを受け入れるクラブとなり、1年という枠を超えてビッグに考えてください。私たちの任期はあっという間ですが、継続性とビジョンを持って計画、行動すれば、末長いインパクトを生むことができます。私たちの優先事項が、会員増強、ポリオ、平和であることも忘れないようにしましょう。かつてないほどポリオの根絶に近づいていますが、ここで歩みを止めるわけにはいきません。世界の子どもたちとの約束を守らなければなりません。また、ロータリーは1世紀以上にわたって平和を構築してきました。安全な水のシステム、青少年交換、母子の健康プロジェクトなど、あらゆる活動が平和へのステップとなります。
私が若き職業人としてロータリーに入会したとき、役に立ちたいと強く思っていましたが、人前で話すことを恐れていました。ロータリアンの仲間たちが私を信頼し、さまざまな役割を担うよう背中を押してくれました。そうする中で、ロータリーが私の人生を変えました。ロータリーは、勇気と目的を与えてくれました。何よりも、皆さま、すなわち世界中の友人、チーム、ファミリーを与えてくれました。
友人の皆さま、引き出しの奥にしまっていた夢、特に大きすぎたり大胆すぎたりして実現できないと思っていた夢を、取り出すときが来ました。その夢に光を当てましょう。クラブ、地域社会、そして世界のために、よいことのために手を取りあおうではありませんか。リーダーとして奉仕するだけでなく、喜び、つながり、愛に満ちた1年といたしましょう。
感謝と敬意を込めて
2025-26年度国際ロータリー会長 フランチェスコ・アレッツォ
国際ロータリー第2840地区 2025-2026年度ガバナー 竹中 隆 |
組織において、その継続と発展は共通した課題だと考えます。その組織が、組織を構成するメンバー、存在する地域から必要とされ続けなければ、消滅する可能性が常にあります。
ロータリーも例外ではありません。クラブの会員にとって魅力ある活動、クラブが存在する地域にとって価値あると認められる活動を通じて、必要な存在であり続けなくてはなりません。そのためには、普遍的な価値を守り、時代の趨勢に対応する知恵を見出し、変化を受け入れなければなりません。
ロータリーが求め続けてきた普遍的な価値とは、何でしょうか。改めて、“ロータリーの目的”を確認すると、
“ロータリーの目的”は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。具体的には、次の各項を奨励することにある:
第1 知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること
第2 職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること
第3 ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること
第4 奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること
とあります。
このロータリーの目的と、ロータリアン一人ひとりの心に問いかける“四つのテスト”、ロータリーの中核的価値観を土台として、ロータリーのビジョン声明、並びにその中に示された優先事項と目的の達成を希求しつつ、変化することで、必要とされる組織であり続けることを目指しましょう。
変化に対しては、何をどのように、何を目標に、変えていくかの視点が必要です。必要と思われる変化を見つけ出し、それに向けて計画的に推進するための行動計画に基づいた戦略、指標作りが重要だと考えます。
2025-2026年度、地区内会員の皆様には、語る、語り合うことを意識してロータリー活動をしていただきたいと考え、地区スローガンを「ロータリーを語ろう」とさせていただきます。
会員の皆様に、誰と、何を語っていただきたいかは、
・ロータリアン同士では、ロータリーの守ってきたものとは?どう変わっていくのか?
・クラブでは、何を大切にするのか?これからクラブをどうしていくのか?
・外に向かっては、ロータリーの理念、奉仕活動
です。
その目的は
・ロータリアン同士、クラブでは、共通の価値観の醸成、将来に向けた方針の共有、確認
・外に向かっては、公共イメージの向上、地域における良い評判の形成
でしょうか。
ガバナーの役割と何でしょう。
ロータリー章典(19.010. ガバナーの具体的な任務と責務)によると
・RI理事会の定めた規定を順守する。
・ロータリアンの利益とRIの目的のために奉仕する。
とあります。
加えて、私は「地区内のクラブ、会員を“鼓舞する”」ことにあると考えます。
地区内クラブの活動の充実、地区内会員のクラブライフ、ロータリーライフの充実のために、クラブ奉仕があるように、私は、ロータリアンへの奉仕を献身的に行います。ロータリーの価値の向上、会員のクラブ、ロータリーへの帰属意識の強化、会員自身の中でのロータリーの優先順位、プライオリティーの向上のために、RIの方針を、分かりやすく、丁寧に説き続けます。
マリオ・セザール・マルティンス・デ・カマルゴ2025-26年度会長は、2025年国際協議会で次のメッセージを発信されました。
「Unite for good」「よいことのために手を取りあおう」
あわせて、「ロータリー会員は行動人です。私たちは変化が起こるのを待つのではなく、自ら変化を起こします。行動人とは、何をするのでしょうか。私たちは、よいことのために手を取りあいます。」と、定義されました。
マリオ会長エレクトは、メッセージの中で会員増強に注力することを強調され、いくつかのキーワードを示されました。「革新」「継続性」「パートナーシップ」です。
ロータリーも、会社や他の組織と同様に、その発展には、変革、改革が必要です。戦略的な計画を立て、実践し、検証する。その実行のプロセスを常に意識することが重要であり、それには、マネジメントも不可欠であり、マネジメントに必要なツールやメソッド、視点を取り入れなければなりません。効果的な戦略を立案するには、マーケティングも必要かもしれません。
ロータリーの組織は単年度制です。しかし、クラブの会長やガバナーが以前の活動を全て否定するような選択をすることは誤りだと思います。事業達成に向けた事業主体(クラブ)の統一された意思、決意に裏付けられた次代に引き継ぐべきものがあるはずです。それらを組織内で醸成し、蓄積する必要があると考えます。
革新と継続は表裏一体であり、正に「不易流行」であります。あわせて、継続のための変革には、新しい価値観、新しい血も必要であるため、常に組織の新陳代謝も意識しなくてはなりません。
パートナーシップが、地区の運営だけでなくクラブの運営にも重要であると考えます。ネットワークの構築と言い換えてもいいかもしれません。現在の活動をクラブや地区内の他の部門、外部の組織と連携、協力することで、より効果的な成果を得られるはずです。
ロータリーを取り巻く様々な変化を受け入れ、革新し、皆で手を取り合って、活動を通じ地域にインパクト(ロータリーの活動によってもたらされる長期的で好ましい変化)を与えようではありませんか。
皆様ご存じの通り、前年度末に国際ロータリー会長エレクト、マリオ・セザール・マルティンス・デ・カマルゴ氏の突然の辞任というRIの歴史でも極めてまれな事態が発生しました。RIは、定められた手続きに則り、前年度内に後継のフェランチェスコ・アレッツォ氏(ラグーザ・ロータリークラブ/イタリア)を指名し、本年度を迎えました。
後継会長の決定とともに、会長メッセージはRI理事会の承認通り、Unite for Good「よいことのために手を取りあおう」が引き続き使用されることとなりました。
マリオ氏とは、国際協議会前に日本でガバナーエレクトだけを対象にしたミーティングで、直接お考えを伺いました。国際協議会では、6日間に渡り薫陶を受けただけでなくパーティーもご一緒させていただきました。これからの一年間一緒にロータリーを考え、行動していく仲間と言ってもよい存在でした。マリオ氏の突然の辞任は、私を大きく落胆させ、RIに対する不信感さえ感じさせたものでした。
フランチェスコ氏の会長就任が決まってもどこかモヤモヤした気持ちでした。ですが、二人の会長から、Unite for Goodの理解、その推進の考え方をお聞かせいただけると、現在は気持ちを切り替えています。
そこで、マリオ氏から発せられ、3月の会長エレクト・次年度幹事ラーニングセミナーでお話させていただき、地区会員必携にも掲載させていただいた私から地区会員の皆様へのメッセージの中のマリオ氏からの部分もそのままお示しさせていただきます。
加えて、フランチェスコ氏からのメッセージ、国際大会の閉会セッションでのRI会長エレクトとしてのスピーチを受けて、私から皆様へ以下の内容を加えさせていただきます。
私は、Unite for Goodというメッセージが示されたとき、誰とUnite「手を取りあう」のか、for Good「よいこと」とは何なのか、皆さんで考えることが大切であるとお話ししました。
フランチェスコ会長は、Unite「手を取りあうこと」とは、団結し、和解し、集まることを意味し、団結は二つの異なる視点で理解でき、それは、空間と時間であると説かれました。
空間で団結することは、すべての会員を巻き込むことを意味し、会員だけでなく、パートナーとして機能する組織、地元の行政、他のボランティア団体を巻き込むことを意味し、ひいては「私たちの影響を拡大する」ことに繋げられるとおっしゃいました。
影響を拡大するということは、会員を増やすことであり、第一に退会防止、それも入会2~3年の会員に焦点を当てるべきであると強調されています。クラブでの体験を改善することに加えて、地域の文化や伝統に合わせた新しいクラブの形態を導入することも奨励されています。
もう一つの概念は時間です。
「手を取りあうこと」は時間の中での一体性としても理解でき、前任者や後任者と穏やかに協力する必要性を指しています。一年のプロジェクトは制限的になることがあり、一年しか続かないプロジェクトは、変革をもたらすことは稀で、常に表面的な課題の解決で終わってしまいます。本当に世界と人々の生活を変えたいのであれば、より大きな計画を立て、複数年にわたるプロジェクトを考えなければなりません。私たちの任期は一年間だけかもしれませんが、先人たちと、そして後に続く人たちと共に働き、計画しなければならないと、継続の必要性を強調されました。
for Good「よいこと」の第一目標は、達成までにあと一歩となったポリオ撲滅であるが、「よいこと」の最終目標は、平和であると述べられました。
平和とは何かについては、平和センターへの理解、青少年交換、病気の予防や治療、清潔な飲料水や衛生環境の提供、安全な環境で女性が出産でき、子供たちの世話をすることへの支援など、ロータリーが行っている日常的な活動であると、再認識させていただきました。ロータリーは創設以来、平和のために活動し続けてきた組織であるともおしゃっています。
そして、その本質はロータリーのビジョンにあるとも加えられました。ロータリーのビジョン声明は、「私たちは世界で、地域社会で、そして自分自身の中で、持続可能な良い変化を生むために人びとが手を取り合って行動する世界を目指しています」であります。
さらに、夢を持つことの重要性にも触れられました。
夢を見ることは熱意の結果であり、熱意を生み出します。ロータリーのリーダーは、自らが夢を持たなければ、そして、メンバーに夢を見させることができなければ、成功した一年を迎えることは難しいと述べられています。
皆の夢を結集し、一つの大きな共通した夢にできれば、それが皆を団結させ、興奮させ、実行できれば、世界を、私たちの人生も変えられると力説されました。
マリオ氏のメッセージは、国際協議会の中でガバナーエレクト向けでしたが、フランチェスコ会長は国際大会でのものであり、ロータリアンへの呼びかけであったように感じました。
その中で、フランチェスコ会長は、何度も何度も、Togetherと呼びかけられました。
私たちも、次世代のために、Together共に、Unite皆で手を取りあい、より良い世界、より良い地域社会を築くことを、目指してまいりましょう。